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アマゾン移民

今、垣根 涼介の『ワイルド・ソウル』という小説を読んでいます。
まだ、上巻の3分の1程を読んだだけなのですが、とても面白いです。
日本から、ブラジルのアマゾンへ渡った移民が主人公の話です。

ブラジルをはじめ、いろんな国へ渡っていった移民のことは、
もちろん知っていました。

去年行った、ビギンのコンサートでも、ブラジル移民の方々の前で
歌ったって話もしてたし、その後その様子もテレビで見ました。
移民の方々が、すごく苦労されたことも・・・

でも、それらは、明治から戦前のことだと思ってました。

ところが、この本の主人公は戦後のアマゾン移民なんです。
それも、まさにこの国で高度経済成長が始まろうとしていた、
1960年代の・・・
驚きです。

もっと驚きなのは、政府の移民政策が、ものすごくいい加減なもので
まるで国家が行う詐欺、まさに”棄民”政策そのものだったこと。

この本では、政府が発行した募集要項では、
「農業用地はすでに開墾済み、入植者用の家も完備している。」
ということで、希望に燃えてブラジルへ渡っていきます。
ところが、着いてみれば、そこはまさに未開のジャングル。
しかも土地は、強い酸性でなかなか作物が実らない。
マラリアや赤痢、などで、人がどんどん亡くなっていく・・・

小説の中の話ですが、作者はブラジルやコロンビアでずいぶん取材されて
いるようですし、実際に同じようなことが行われてきたのだと思われます。
あまり知られていない、近代日本史の、闇とも言える部分・・・

今、物語は現代に移っています。
この先どう展開するのか、楽しみです(^_^)