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『末期ガンになったIT社長からの手紙』読了

『末期ガンになったIT社長からの手紙』
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読み終えました。
本の内容や、著者の藤田さんについては、ちょうど今日の『YOMIURI ONLINE』で紹介されている記事がありますので、そちらをご覧下さい。
(読売新聞にも掲載されているようなのですが、我が家の神戸版には載ってませんでした)

本を読んで、まず著者の藤田さんの強さと冷静さにたいする大きな驚きがありました。
ご自身の、発病から、再発までのプロセス、そしてその時の感情の変化をを淡々と書かれています。
これほどまでに、真っ正面からこのような重い病気と向き合える人がいるのか、と正直大きな衝撃を受けました。
私たち、トライアスリートはよく「鉄人」とか言われて、いかにも強い人のように思われます。
また、格闘技の専門家なども本当に強そうです。
けれども、真の鉄人とは、この藤田さんのような人ではないかと思います。

心から尊敬すると同時に、死の宣告をされた人に対して、こういうことを言うのはおかしいかも知れませんが、ある種の希望を持てました。
それは、私も万一、同じような状況になった時に、こんな風に冷静に、前向きにいられるかも知れない。
と言う希望です。
もちろん、生やさしいわけではありません。

けれど、例えば、初めてトライアスロンという競技を知った時は、別世界の人間がやるもの、とても自分には無理、と思ってたのが、その後、テレビで多くの人がやっているのを見て自分も出来るかも、とやり始めやがて出来るようになったように。
こうありたい、と思ったことを出来ている人がいる、と言うことは自分も出来るかも知れない、と言うことでもあります。

ところで、IT社長って言うと、M&Aなどで手段を選ばず、実態のない商売で金儲けばかり考えている人、というイメージがありますが、この藤田氏はインターネットの特徴を活用した、非常に堅実なビジネスをされているようです。
そう言う意味でも、すごく好感が持てました。
そして、病気になったからと言って、今までの仕事中心の人生を後悔されているわけではなく、常に前向きに生きています。

がん治療にかかわる医師や患者の知恵をネットで集め、新薬の早期実用化を促すという「事業計画」に着手したのだ。ITにかかわり続けた経験を、最後の挑戦に注ぎ込めると思うと、前向きになれた。

と言う風に、今までやってきたことがあるからこそ、出来ることもあります。
平々凡々、のんべんだらりと生きてきていればけっして出来ないでしょう。

それにしても、藤田さんのブログがあるのですが、本を知ってから見た時に6月8日から更新されていなくて、すごく心配だったのですが、今日見ると更新されていました。
今も前を向いて、頑張っておられます。
心から応援したいし、それにはこうやってブログで紹介したりして、一人でも多くの人にこの本を手にとって貰うことだと思います。
一読の価値は十二分にある本だと思います。