伊坂 幸太郎の『 死神の精度』を読みました。
『死神』と言うと、『デスノート』など、オカルティックなものを、
思い浮かべそうですが、これはなかなか人間味あふれる小説でした。
主人公は死神、1週間後に死ぬことになるであろう人間の調査をして、
その死を「可」あるいは「不可」と決める役目をします。
いわゆる、一般的に人をしに導くのではなく、死か生かを決める死神。
床屋の亭主が、切られた髪に興味がない、と言うように人間には興味が
ないと言う死神が、担当する人間との1週間の出会いと出来事を、
時に独特のユーモアを交え、独自の視点で淡々と描かれています。
6編の短編小説からなるのですが、最後の話が特にいい。
「ああ、やっぱりこういうことになるんだ」
と、ちょっと安心するような、読後感のいい話でした。
映画化されたようですが、死に神の視点から一人称で描かれた小説
どんな風になったのか・・・
こちらも、ちょっと興味あります。